人生の参考書① 『十二国記』
皆さんにとってに人生の参考書、バイブルはありますか?
私にとって人生の参考書ともいうべき本は4つ。
そのうち2つは先日の読書記録で紹介した『シンプルに生きる』と『フランス人は10着しか服をもたない』
あとの二つはシリーズ。
『十二国記』
『彩雲国物語』
中学生の頃、この2つのシリーズに出会っていなければ今の私はいません。
何をしているのか想像もつきません。
おそらくきっと今頃。全く違う人生を歩もうとしていることでしょう。
上記の2シリーズはどちらもファンタジー。中華風の。
主人公どちらも16、7の少女です。
当時中学生の私には難しいストーリーと漢字のオンパレード。
(ぜひお手に取ってみてください。細かい文字でびっしり常用外漢字が並びます。笑)
個性的な登場人物と取り巻く人間模様。
名言も多く私も様々なものを学び得ました。
『十二国記』は現在新潮文庫から完全版が、『彩雲国物語』は角川ビーンズ文庫版と数冊の角川文庫版があり、どちらも過去にNHKよりアニメ化されています。
どちらもかなりの評価を受けていて、初版発売から約15年、20年と経っているのにも関わらず、書店で必ず目にすることができます。
ライトノベルと侮るなかれ。
内容はそこらの読み物と比べ物にならないくらいヘビーです。笑
その分学びは多く、読者を魅了してやまない。最高の物語。
前置きが長くなりましたが、今日は『十二国記』についてお話を。
月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫) | ||||
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こちらが完全版の第1刊。
主人公の女子高校生・陽子が突然異世界に飛ばされ、様々な困難を乗り越えながら成長していくストーリー。簡単に言っちゃえばね。
そんな簡単じゃないし鬱になりそーなくらい辛い暗い話が最初は続きます。作者の小野様に一回の読者が本当に申し訳ないですが、お世辞にも楽しいお話じゃありませんよ。たくさん人が死にますし。なにより暗い!
そもそも基準が「楽しい」じゃない。「深さ」です!
細部まで作りこまれた世界観、そこで必死に生きる人々、生き残るために戦い自分を愚かだという主人公。
言葉のひとつひとつが刺さるのです。考えさせられるのです。
何かに悩んだときこのどこかにヒントがある。そう思わせてくれる物語です。
1度ハマればしばらくしてまたふと読みたくなる。
私はこの8年間、少なくとも半年に1度は本かアニメを見返しています。
本当に決まった部分だけをピンポイントに。
本とアニメは内容が少し(?)違っていて、どちらを見たとしても脳内で勝手に相互補完されます。そりゃ8年も見続けりゃ…ねえ(笑)
じゃあちょっと名言をご紹介。
「真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときにはしぜんと頭が下がるものだ。礼とは心の中にあるものを表すためのもので、かたちによって心を量るものではないだろう。~中略~他者に対しては礼をもって接する。そんなもの当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ」風の万里 黎明の空 下 より
「人間って、不幸の競争をしてしまうわね。本当は死んでしまってひとがいちば可哀想なのに、誰かを哀れむと負けたような気がしてしまうの。自分がいちばん可哀想だって思うのは、自分がいちばん幸せだって思うことと同じくらい気持ちいいことなのかもしれない。自分を哀れんで、他人を怨んで、本当にいちばんやらなきゃいけないことから逃げてしまう……」風の万里 黎明の空 下 より
月の影 影の海 下巻 と 風の万里 黎明の空 下巻。
ピンポイントというのはこの2冊だけ定期的に読み返すというもの。
すごく変わってると思います。
だからアニメで見返すのもこの部分だけ笑
そんなこんなで8年間、この物語に対する思いとあこがれは変わるどころかますます強くなっています。
だからおそらくこれから10年、20年と経っても私はこうやって変わった楽しみ方をしているのでしょうね。
そしてまた明日への活力へ変えて生きていくのだろうと思います。
さて、気がつけば1700字超え。
好きなものを語るのはやはり楽しいですね。